2013年8月アーカイブ

ゲームデータ制作の段取り 3

シナリオ仕様書

ゲームデータ作成に使われる仕様書は以下のようなものです

  • シナリオ
  • キャラクター設定
  • 背景世界説明
  • アイテム設定
  • 用語指定
  • 表現規制

    これはあくまでキャラクターの設定が乗っているだけなので、シナリオ全体に関する資料や、書式などに関する資料は別途必要ですね。

シナリオ

ゲーム内でのシナリオです。今回はゲーム内(インゲームと呼んだりします)でのテキストデータ作成ですので、ステージ間に表示されるようなシナリオイベントとかは含みません。インゲームに表示されるエビソードと顛末を記述した書類になります。

インゲームのテキストデータを作成する際に使われる資料は、プロットと箱書きです。

ゲームデータ作成は、用意されたデータフォーマットとゲーム展開に沿ってテキストを記述する所が通常のシナリオ作成とは異なります。

ちなみにここら辺の用語とフォーマットは業界的にまとまっていないものが多いですので、作業を確認する際には特に念入りに確認する必要があると思います。

プロットとは

プロットとは、 全体のストーリー構成を書いて全体を見渡せるようにしたものです。

一つの項目に一つの話の固まりを入れる形になります。

それぞれの項目にテーマや舞台設定、登場人物、出来事がわかるように書きます。

箱書きとは

箱書きとは、1つのシーンの内容を箇条書きで書き、それを筋の流れを見やすくする為に箱の中に書き込みます。

箱はエクセルシートのセル一つと考えると分かりやすいでしょう。

箱書きの例
シーンNo.概要登場人物場所
102
  • 王国軍兵士が店からリンゴを万引きする
  • 店のおやじが引き止めるが、兵士から殴られる
  • ラング、店のおやじを助ける
  • ラング
  • 店のおやじ
  • 王国軍兵士A
城下町の八百屋

台詞は書かず、ストーリーの流れがわかるように書きます。

1シーンごとに1箱書きますので、100シーンあったら100箱書かなくてはなりません。

全体が出来たところで、客観的にストーリー構成を眺める事ができるようになります。

箱書きの効用は、話の構成を客観的にはっきりさせることです。

もう一つの効用は各シーンの間における時間経過を確認することができます。

箱書きを書くと、各構成が客観的に理解できるので、構成とライティングが分業されてもシナリオの意図に沿ってライティングができます。

キャラクター設定

登場するキャラクターの設定書類です。

キャラクター設定資料には、キャラクターの名前・性別・年齢・口調・一人称・人間関係・ストーリー内の本人の目的・ゲーム中におけるポジションなど多岐にわたります。

通常はグラフィックイメージが添付されている事が多く、テキストで設定を伝えきれない部分はグラフィックで理解できるようにしてあります。

背景世界説明

地理情報や歴史情報など、ストーリーの背景となる情報です。

国や土地の固有名詞、政治や軍事組織の名称や形態、ステージの風景や植生といったものが、キャラクターのセリフから発せられます。

背景世界によってキャラクターは価値観や周辺情報を与えられ、台詞の内容に彩りを与えます。

例えば、背景世界が無い場合のセリフが

「俺は山から来た巨人を味方と迎え撃った」

となっていた場合、背景世界の資料があれば、テキストライターは

「俺はアストラ山脈から来た氷の巨人をグリーンドラゴン騎士団と共に谷川岳で迎え撃った」

と書く事ができるようになります。

アイテム設定

特殊なアイテムに関する情報です。主人公やその他のキャラクターが特別に保有しているキーとなるアイテムです。

特殊な効果や、ストーリー上での立ち位置があったりしますので、その場合にはアイテム設定が必要となります。

用語指定

ゲーム内で使用されるゲーム世界観特有の単語に関する解説です。

世界観特有の単語はプレイヤーの混乱を避けるため、あまり多く作るべきではないと思います。

しかしどうしても現実では伝えられない言葉や、世界の雰囲気を伝える為に必要な言葉については作る必要があります。

ゲームは多くの人で作るものですので、スタッフ共有の為に単語用語の設定書類を作ります。

形としては辞書のようなフォーマットが多いです。

表現規制

書くべきではない表現のリストです。

  • 現代の法律や公序良俗に反する恐れのある表現
  • 世界観にマッチしない表現
  • プレイヤー層にマッチしない表現

などがあります。

例えばターゲットプレイヤーが小学生の場合は、難しい漢字が並ぶ言葉は読みづらいので避けるべきです。日本では問題ないかもしれないが海外では問題のある表現というものも避けるべきでしょう。

ローカライズの話になりますが、日本で作った英語名称が海外でのスラングで卑猥なものを指す、なんて事もありますので注意が必要ですね。


まだまだ続くよママン