2010年9月アーカイブ

会社説明会いってきました

今日は日本電子専門学校の会社説明会でした。
学生さんはきっと、でっかい会社に流れて、そのうちダラダラとこっちにくるんだろうなあ・・・とタカをくくっていましたが、残念なことに初っ端からさっそうといらっしゃいました。

で、外国の方が多いのにびっくり。
台湾、韓国などゲーム会社が母国にもあるんじゃない?
とか思うのですが、日本でがんばりたいとの事。
うーむ・・・日本というのは、まだまだゲームの世界ではそれなりの権威なり地位なりあるのかなあ・・・?
と普段の生活からは想像もしなかったことを感じました。
企画書を見たところ、日本人では考え付かないけど確かに「なるほど」と思える着眼点があったり、ここらへんの面白さは世界共通なんだなと感じさせてくれるところがあったりと、こちらも勉強させていただきました。

そして自分ところの反省点。


  • 会社説明会なのに、配布する会社概要にURLがなかったやん。学生さんに「ぐぐれ」としか言わない社長の鬼畜っぷりにほっこり

  • 会社で作った製品を持っていけばイメージUPだったなあ

  • 女の子いっぱい来て欲しかったから今度はデザイナーも募集しようかなあ


言葉の違い

打ち合わせで
「難しいですねー」
という言葉を使う時の両者の意味の違い

作る側「(作るのは無理だけど、言葉柔らかく)難しいですねー」
依頼側「(作るのは大変だけど、頑張ればできるのかあ~・・・)難しいですか~...」

という誤解が生まれるので、無理な時には
作る側「無理です!」
と言いましょう。そうすれば
依頼側「そこを何とか!」
と話が進みます。

ゲーム開発の見積りについて考察 [6]

仕様変更きたら大丈夫?

「仕様変更」何という悪魔的響きでしょう。この言葉が走る度、職場は絶望と運命を感じ、今日は決して帰ることができない事を覚悟するのです。

仕様変更はすべきではないという意見は確かにそのとおりなのですが、人間が仕事をする以上、出来上がりを完全に予測する事は不可能であり、また開発中に事情が変わることも否定できません。

極力仕様変更は控えるべきですが、現実問題しなくてはならない場合もあるので、開発は地震や台風に対するように備えなくてはなりません。

テストやチェックをした後で他部署やプロデューサから様々な事情で仕様変更を要求されることがままあります。

とゆうか、必ずあります。

ゲームとして完成されていても、売れる商品として完成されているのかは別の問題です。作られた商品を見て、改善する箇所があるのならば改善するべきです。

もちろん十分な時間と費用があればの話ですが。

では仕様とシナリオの両方で仕様変更があったとします。

両方とも一日で変更可能な作業内容だとします。

プロジェクトガンチャート1
作業項目 担当 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 合計
仕様書Aさん\100\100\200
シナリオAさん\100×\100
雑誌用画面写真Aさん×\0
広告手配Eさん×\0
経営\50\50\50\50\50\50\50\50\50\50\500
総務\50\50\50\50\50\50\50\50\50\50\500
経理\50\50\50\50\50\50\50\50\50\50\500
機材維持費\50\50\50\50\50\50\50\50\50\50\500
引継ぎ(2作業)Gさん\100\100\200
引継ぎ後
シナリオ
Gさん\100\100
雑誌用
画面写真
Gさん\100\100
広告手配Eさん\100\100
仕様変更・
仕様書
Gさん\100\100
仕様変更・
シナリオ
Gさん\100\100
合計 \3000

ガンチャート1の場合は、一人で仕様変更作業を行いますので、作業日数は分担して行うガンチャート2の倍かかります。

プロジェクトガンチャート2
作業項目 担当 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 合計
仕様書Bさん\100\100\200
シナリオCさん\100×\100
開発進行Dさん\100\100\100\100\100\100\600
雑誌用
画面写真
Bさん\100\100
広告手配Eさん\100\100
経営Fさん\50\50\50\50\50\50\300
総務\50\50\50\50\50\50\300
経理\50\50\50\50\50\50\300
機材維持費\50\50\50\50\50\50\300
引継ぎ(1作業)Gさん\100\100
引継ぎ後
シナリオ
Gさん\100\100
仕様変更・
仕様書
Bさん\100\100
仕様変更・
シナリオ
Gさん\100\100
合計 \2700

商品として完成させる為に、仕方なくスケジュールを伸ばし納期を遅らせてしまうと、その分営業的な機会損失となりますし、他部署の作業工数が余計にかさみ、結局は損をしてしまうことがよくあります。

販売延期を繰り返し、その都度損失を取り返そうと売り上げ目標が上がり、それを満たす為に内容を修正し、結局販売延期をせざるを得なくなる悪循環が発生します。

もちろん、「ここいらでクオリティアップの手を止める」という決断も必要なのですが、スケジューリングや開発管理においては事前にこういった必然的な案件もおりこんで考える必要がありますね。

~続く~

ゲーム開発の見積りについて考察 [5]

一人が倒れたらどうする??

ここからはトラブルを設定します。

人間が仕事を行う以上、必ずトラブルは発生します。

また、トラブルが発生しないのならば、管理職の意味はほとんどなくなります。

それでは開発関連で一番怖い問題は何でしょうか?

それはスタッフ一人が何らかの都合でリタイアしてしまう事は考えなくてはならない問題です。とゆうか、必ずおきる前提として考えるのがリスクマネジメントですね。

そこで、すべてのスキルを持っている人間が倒れた場合

プロジェクトガンチャート1
作業項目 担当 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 合計
仕様書Aさん\100\100\200
シナリオAさん\100×\100
雑誌用画面写真Aさん×\0
広告手配Eさん×\0
経営\50\50\50\50\50\50\50\50\400
総務\50\50\50\50\50\50\50\50\400
経理\50\50\50\50\50\50\50\50\400
機材維持費\50\50\50\50\50\50\50\50\400
引継ぎ(2作業)Gさん\100\100\200
引継ぎ後シナリオGさん\100\100
雑誌用画面写真Gさん\100\100
広告手配Eさん\100\100
合計 \2400

ガンチャート1リスクは

  1. 同様のスキルをすべて持っている希少な人間を探さなくてはならない
  2. 引継ぎ作業がすべての作業項目にわたる
  3. 一つの作業項目の作業日数が多い為、日毎リスクが累積する
プロジェクトガンチャート2
作業項目 担当 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 合計
仕様書Bさん\100\100\200
シナリオCさん\100×\100
開発進行Dさん\100\100\100\100\100\500
雑誌用画面写真Bさん\100\100
広告手配Eさん\100\100
経営Fさん\50\50\50\50\50\250
総務\50\50\50\50\50\250
経理\50\50\50\50\50\250
機材維持費\50\50\50\50\50\250
引継ぎ(1作業)Gさん\100\100
引継ぎ後シナリオGさん\100\100
合計 \2200

対して個々のスキルを担当に割り振っている

ガンチャート2のリスクは

  1. 一つのスキルを持っている人間を探せば大丈夫
  2. 引継ぎ作業は一つの作業項目ですむ
  3. 一つの作業項目の作業日数が少ない為、日毎リスクが少ない

引継ぎ作業は作業項目一つにつき1日とすると、

Aさんだけで仕事をするガンチャート1の場合は引継ぎ作業が2日はかかり、

分担作業のガンチャート2の場合は1日ですみます。

また、潜在的な脅威として怖いのは、Aさんは自己管理をしていたので、開発管理面における引継ぎを次のGさんに行う必要があることです。作業面の引継ぎに没頭するあまり管理面の引き継ぎを忘れてしまう事がよくあります。

分担処理している場合、開発管理面については引継ぎ作業が発生しないので、全体的な調整についての作業負担はGさんにはかかりません。

~続く~

JGC

明日9月4日、JGCに出撃です!

http://www.arclight.co.jp/jgc/

物販ルームの共同体験会にて、RoleMasterのマスターをやってます。
新横浜プリンスホテルで僕と握手!

ゲーム開発の見積りについて考察 [4]

本当に費用はそれだけ? (3/3)

機材管理

存在するだけで発生する費用も忘れがちです。

  • 家賃、光熱費
  • 機材リース料、ソフトウェアライセンス料

など

実作業時間が短くなれば、それだけこれら費用も少なくなります。

開発のみに着目していると見落とし勝ちなものなのですが、これが非常に重たい負担になっています。極端な事を言えば「息をするだけでもお金がかかる世の中」なのです。

話はそれますが、個人外注と企業外注での工数単価が変わらない所をよく見かけます。

もちろん、発注する側からは受け取る納品物に変わりはないのですから、支払う対価は変わらない道理です。

しかし、企業は作業する人以外にも管理、営業、経営など様々な人が共同作業している集合体です。その為のハードウェアも沢山必要で必然的に工数単価は高くなります。

発注する側としては単価が高くなるのは嫌かもしれませんが、各種フォローやトラブルシューティング等信頼性の背景としてその費用になることを理解していただきたいと思ったりしています。

まあ、多少リスキーでも単価の安い個人か、安定感があるが単価の高い企業か、というゲーム性があると思っていただければ一番楽なのかな。とか思ったりもします。

開発スケジュールに入れて見ると、

一日の機材管理費が\50ならば、4日と6日では\100の差が出ます。

開発日数が少なければ、機材管理費は削減できるのです。

特に開発時期だけ機材を借り受けるならば、開発日数は特に削れるようにスケジュールや人員配置をすべきでしょう。

プロジェクトガンチャート1
作業項目 担当 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 合計
仕様書Aさん\100\100\200
シナリオAさん\100\100\200
雑誌用画面写真Aさん\100\100
広告手配Eさん\100\100
経営\50\50\50\50\50\50\300
総務\50\50\50\50\50\50\300
経理\50\50\50\50\50\50\300
機材維持費\50\50\50\50\50\50\300
合計 \1800

2プロジェクト同時進行している会社の場合、2/4の機材管理費。

一日\100として2日削減できれば\200削減できます。

プロジェクトガンチャート2
作業項目 担当 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 合計
仕様書Bさん\100\100\200
シナリオCさん\100\100\200
開発進行Dさん\100\100\100\100\400
雑誌用画面写真Bさん\100\100
広告手配Eさん\100\100
経営Fさん\50\50\50\50\200
総務\50\50\50\50\200
経理\50\50\50\50\200
機材維持費\50\50\50\50\200
合計 \1800

なんか費用が並んじゃいましたね・・・

~続く~