ゲーム会社のスマホアプリ開発日誌 36 ~ステージ設計~

昔教わったことです

その昔私はアーケードゲームの開発会社に勤めていたんですが、その時によく言われていたのが

「1面で理解させ、2面で遊ばせ、3面で殺す」

てな事でした。

これを今風に言い換えれば、

「初日プレイでチュートリアル完了、2日目に楽しませ、3日目から課金させる」

てな事になるのでしょか。

ちょい前までは初日からガチャでガンガン稼ぐ話が沢山ありましたが、最近は遊んでから課金する傾向が強いという話を耳にします。

どうもゲーム性で面白くないとプレイヤーがすぐに離脱する、というご時世になってきてるようで、ステージ設計とかレベルデザインといった、個々のステージをちゃんと遊んでもらって楽しませる事が注目されているようです。

昔はとにかく「ガチャ」だったんですけどね。時代が変わってきましたね。

んでは「ステージ設計」は具体的にどんな事をするのか?

よく思われがちなのが

「面白いステージをいっぱい作る」

って事です。

これは一部正しいんですが、一部違うんですね。

 

楽しさの質やボリュームは均一ではいけない、というのが重要でございまして、

先ほどのアーケードの例えで言えば

 

■ゲームステージ構成

■1面 : ゲームの操作やオブジェクトの性質を気づく楽しさ

■2面 : 学んだテクニックで敵を倒す楽しさとクリアの達成感

■3面 : 新たな課題で壁を感じさせ、克服する楽しさ

というように、それぞれの楽しさの質は違います。

人間はどんな事でも物語を感じる生き物だったりしますので、プレイにも物語が必要なんです。

(ここで言う物語とは、「ストーリーモード」の意味ではなく、プレイヤー自身の気持ちの移り変わりという意味です)

なので、均一に「敵を倒す爽快感」だけで全ステージを作ると、プレイヤーには物語が生まれないので結構すぐに飽きます。

たまに「縛りプレイ」をする人いませんか?あれは退屈なゲーム性に自分で物語を付加して楽しさを自分で作り出してる作業です。

自分で楽しさを生み出せる人はいいんですが、大抵のプレイヤーは与えられた楽しさを消化するプレイスタイルですので、製作者の方で様々な楽しさを提案したり付け加えたりしなければなりません。

まあ更に「課金誘導」なんて大人の事情もありますんで難しい話ですが......

 

てなわけでゲームのステージ設計というのは個別に作るよりも、ゲームコンテンツ全体の中で構成を考えて作る方がより長く楽しめるものにはなります。

ただ最近はステージ数が膨大な上に運営イベントとかありますから、全てを俯瞰して制作するのは無理です。

ある程度は小分けにして、その中で課題を設けてステージ設計をするというのが現実的なのかな、と思います。

例えば、「1クエスト=5ステージ」のような構成にして、

 

■クエスト1 : 基本操作とクエストクリアまでの流れを体験させる

■クエスト2 : 自分の力でクエストクリアさせ、達成感を感じさせる

■クエスト3 : 壁となる強敵を出して課題を自分の力でクリア、克服する楽しさを感じさせる

 

というように設計し、各クエストで詳細な課題を用意して遊ばせるようにする、と。

 

■クエスト1「最初の冒険」

 課題 : 基本操作とクエストクリアまでの流れを体験させる

■ステージ1 : 基本的な敵の倒し方を学ぶ

■ステージ2 : コンボを学ぶ

■ステージ3 : 属性ジヤンケンを学ぶ

■ステージ4 : スキル発動を学ぶ

■ステージ5 : ボス戦を学ぶ

こんなかんじで。

 

なんか長くなりそうなんで、一旦ここまでです。

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