国産ゲームの海外進出における課題 4/4
ローカライズの勘違い
一方の国で作ったモノを他方の国にあわせる事をローカライズといいますが、どうしても「言葉を翻訳すればOK」みたいな勘違いが未だにあるようです。
記野さんは「文化の違いやESRBなどのレーティングシステムのからみなどがある」といいます。
文化の違いは海外に滞在すればイヤという程痛感します。価値観の違いも物凄いです。ご飯を奢ってもらった翌日、日本人なら「昨日はごちそうさまでした」とお礼を言いますが、中国人は決してお礼を言いません。
これは中国人が横暴なのではなく彼らにとっては後で「ごちそうさま」と言うのは催促になってしまうそうで、ごちそうになっておきながら後々までまた催促するなんてのは失礼極まりない事なんだそうです。
お礼の心は同じでも行動は180度違うのですから、文化を知らないでローカライズをすれば当然誤解が生まれますし、トラブルがおきますし、ゲームを正しく評価されなくなってしまいます。
レーティングも「日本ではグロNGエロOK、アメリカではグロOKエロNG」なんて言われるらしく、評価基準が一律ではないです。EUも各国でレーティング評価が異なったりしています。
欧米から見たら日本はHENTAIなんです。想像以上に。
以前ドイツでホモマンガを購入して、ドイツの知人に喜んで見せたら凄く苦い顔されたのを覚えています。当時は何故?と思ってましたが、今思うと恥ずかしいです。だって、ドイツの本屋では普通に乳首あらわなお姉さんが表紙を飾ってる雑誌が並んでたのにですよ。いや、記憶によればそうでしたよ。
ハンバーガー屋で普通にスカイハイ×オリガミサイクロンの話ができる日本は良い国です。
記野さんは「現地の担当者やセールスを巻き込むこと。彼らのコンテンツでもある、というモチベーション。ものによっては開発企画からジョインしてもらう」と言ってます。
また、「ローカライズ次第ではコンテンツやタイトルそのものをぶち壊してしまう
翻訳者はある意味現地側のクリエイター。リスペクトとできる現地プロデューサーが必要」だそうです。
結局は地域を巻き込み、「みんなで作る」というのが良いらしいです。
記野さんのステレオタイプな結論
1.自力から「自力+他力」のタイとなパートナーシップ
経験者やコンサルタント・エージェントの力を借りること
信頼できる「現地パートナー」見つけること
→契約で縛られているので甘えが発生しない
2.パートナーへのリスーペクト
地の利を軽視しないこと
→「郷に入れば郷に従え」生まれ育った現地人に現地テリトリは任せる
3.語学力ではなく誠意のある交渉力
語学はツール。能力ではない。誠意国境も言葉も越える
私が考えるには、自分達で全てをまかなうオールインワン思想は厳しいですし、現実感は薄いのかな?ということです。
プロジェクトにマッチングしたスタッフ、座組みを作り、契約でキチンと結び合う。
海外、地域については現地を専門家としてスタッフに早期から加わってもらう。
日本はもともと中小企業がたくさんあって、色んな特徴がある会社がいっぱいある国ですから、プロジェクト毎にスタッフを組み合わせるスタイルはやりやすいかもしれませんね。
そして...日本の業界は狭いのでキチンと誠意のあるお仕事をするかしないかが、すっごく影響でますしね。
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