ゲーム開発の見積りについて考察 [1]
ゲーム関連のお仕事をしていると、よくあることなのですが、見積りや人員要望について
「あれもできて、これもできて、それもできる人でお願いします。しかも○○日の日程で。」
と言うのがあります。
まあ~......それはスーパーマンにお願いしてチャッチャッとマスターアップしてくれれば、こんなに嬉しいことはないですが。
そんな人はまずいない。いたらこちらが紹介して欲しいです。
ゲームアイデア立案ができて、企画書書けて、仕様書書けて、スクリプト書けて、プログラムコーディングもできて、3Dモデリングも2Dグラフィックもできてとかそんな悪魔超人いたらいいなあ~。
で、もちろん徹夜ジャンジャカやってもちっともヘコたれない鉄人。
馬車馬どころの騒ぎじゃございません。軍馬ですよ。軍馬。なんぴとたりとも先を走らせない軍馬。
で、そんないないであろう、スーパーマンというか黒王号なみの軍馬を期待するのは何故なんだぜ?と思ったのでちょっと整理して考えてみます。
例としてちょっと小さいプロジェクトを仮定します。
このプロジェクトは仕様書を作成し、その仕様に基づいてシナリオを作成するものとします。
作業項目 | 担当 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
仕様書 | Aさん | \100 | \100 | \200 | ||||||||
シナリオ | Aさん | \100 | \100 | \200 | ||||||||
合計 | \400 |
Aさんは1日8時間の中で、表の作業を全てこなさなくてはなりません。
また、Aさんは『仕様書』『シナリオ』『開発進行管理』の全てに対してスキルを持っていなくてはなりません。
Aさんは自分を管理するので管理作業は無いものとします。(本当はこれはいけないんですけどね)
作業項目 | 担当 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
仕様書 | Bさん | \100 | \100 | \200 | ||||||||
シナリオ | Cさん | \100 | \100 | \200 | ||||||||
開発進行 | Dさん | \100 | \100 | \100 | \100 | \400 | ||||||
合計 | \800 |
『仕様書』しかできないBさん、『シナリオ』しかできないCさん、『開発進行管理』しかできないDさんを用意してみます。
さて、プランナー1人の1日工賃を仮に相場\100だとします。滅茶苦茶安いですが、計算しやすいからこれにします。
Aさんだけを投入したプロジェクトの場合、\100×4日=\400になりますが......
BさんCさんDさんを投入したプロジェクトは、(\100×2)+(\100×2)+(\100×4)=\800になります。
当然管理しやすく安いし、柔軟に対処してくれる一人という理屈で、「Aさん一人のプロジェクトでお願いします」というケースが結構多いのかな?と思います。
うーむ。なるほど~。
...だけど当然のことながら『?』と思うことがありますよね......。
カテゴリ:
トラックバック(0)
トラックバックURL: http://blog.lambda-planning.com/x68000/mt/mt-tb.cgi/4